2018年10月25日(木)
赤坂RED THEATER
マチ子の舞台2回目行ってきた。無事に千秋楽も終わったので今回はネタバレ強めに書く。
もともとエビ中も好きだし、シベ少も好きだし、ドラマも好きだったからこの舞台は2回観に行くつもりだった。チケットの先行のときに2公演分取ればよかったのだけど、いつもシベ少のときはチケットに余裕があるから油断して火曜日の分しか取らなかった。いざ一般発売になってみたら即日完売。そりゃそうだよね、今回の主演はエビ中のぽーちゃんなんだもん。正直なめていた…。
でも連日抽選で当日券の販売があるとのことで、唯一時間の取れる木曜に当日券チャレンジしにいった。平日昼だったけど、夜から同じく赤坂のBLITZにてりったんの生誕ライブがあるとのことでその前にチャレンジしようとやってきたファミリーが多めだったぽい。待機列の先頭の人から順にくじを引いて、書かれたくじが10番までの人が入口前に呼ばれて購入できるシステムだった。結構並んでいたから無理かと思ったけど奇跡的に当選。今年の運は使い果たしたんじゃないだろうか…。
開演前の影アナウンスは時の神。私が観た2回ともそうだったんだけど、Twitterで感想読んでたら違う日もあったみたいだからランダムだったのかな?
当日券は若干見辛い席ということだったけど、まさかの最前!上手側端で確かにセットの壁やマチ子のトランクに隠れて演者が見えない場面はあったのだけど、基本的には見えるし距離がめちゃくちゃ近くて神席。
客席から入ってくるマチ子→ドラマと同じオープニング映像→タモツとクズ社長の会話、という流れがドラマを思わせる作り方で最初からワクワクした。
キャストごとに感想。
町山マチ子/小林歌穂
滑舌はちょいちょい怪しくて、火曜日に観たときは何回か大胆にかんでいたりしたんだけど、表情でみせる演技が素晴らしい。ドラマ後半ではほぼなくなっていた惚れやすい性格がピックアップされていたのもよかった。恋する乙女から大暴走、失恋してペットへの母性が目覚める、というジェットコースターなキャラクターをちゃんと愛らしく演じていた。
町山タモツ/加藤雅人
相変わらずの性格でカオちゃんがかわいそうだよ…と思うのだけど、ラストのカオちゃんに抱きつくときの笑顔で全部ぶっ飛ぶ。ずるい。平行世界のタモツのときに背筋がピンと伸びてちょっとイケメンになるのが好き。普通のタモツだけ見てると演技ではなく加藤さんがもともとそういう人なのかと錯覚するけど、平行世界のタモツとの演じ分けで役者さんってすごい!と思う。
クズ社長(久瀬アキラ)/浅見紘至
ドラマではポンコツのちょい役かと思いきや大活躍だったクズ社長、舞台でも大活躍だった。ほぼ出ずっぱりだったのでは?各方面へのツッコミをして場を回していてクズ社長なしに成り立たない。就職してないこと以外は、人格的には1番常識的でまともなクズ社長が好き。
カオリ/坂崎愛
主要キャストなんだけど、舞台の上にいる時間は短かったと思う。でもこの物語は根本的にはタモツとカオリが中心になっているんだよなー。打ち明けていない秘密があるためにかなり聞き分けがよくて、ドラマの前半みたいに取り乱す演技がなかったのはちょっと残念かな?坂崎さんのTwitterのアイコンだとキリッとした顔なんだけど、カオリは素朴でかわいらしくてギャップがすごい。
時の神/風間さなえ
どこから出してるのかと思う独特の声と喋り方を生で聴けてうれしい。ずっとポンコツなんだけど、終盤で鍵を開けて入ってくるところめちゃくちゃカッコいい!
横島の大将/仲義代
邪神というキャラはあるものの、基本的には近所のおじちゃんであまり主要な登場人物ではない大将。この舞台でも大将としての登場は少なかったけど、後半ではアンドロイドの大将(ショウショウ)が大活躍だった。ネットで散々書かれているけど、アンドロイドの演技が上手すぎる。声、動き、目の動きなんかが本当に人間じゃないみたいだった。
ドラマでもそうだったけど、なんでもありのSFファンタジーな展開。冷静に考えればツッコミどころ満載のストーリーなのに早いテンポのコメディだから許されてしまう。
ドラマはタモツとカオリを結婚させるために奮闘する話だったから、ドラマの最後で一度物語は終結しているわけで、舞台では何が物語の中心になるのか、というのも見所だったと思う。
マチ子の恋とペットのアンドロイドの話で引っ掻き回しながらも、根幹にあるのはやっぱりタモツとカオリだった。カオちゃんに対してぞんざいな扱いをするタモツ、カオリの不倫疑惑?からの家族が増えるというハッピーエンド。ドタバタしながらもちゃんとドラマ版からは一歩話が進んでいて、さらにより幸せが増しているのがうれしい。
夫婦間で起こる出来事としてはベタなエピソードなんだけど、普遍的だからこそ胸に迫る。ちょっと素直じゃないけど素朴で優しいタモツとカオリの夫婦が好きだ。
マチ子の長台詞でカオリのエピソードとアンドロイドのエピソードがダブルミーニングになるところは構成としてよくできている以上にどっちも感情に訴えかけてくる。土屋さんの脚本は人物の描き方が丁寧で、ちゃんと人の関係性とか感情を描いてくれるから最後は泣ける。
時が戻ってカオリが素直に妊娠を打ち明けたとき、タモツが迷いなくカオリに抱きつくところでグッときてしまう。というかタモツは不器用なだけで優しい奴だってわかってるんだけど、わ〜〜タモツ〜〜!!カオちゃんよかったね〜!って心の中で叫んでた。
もともと舞台をドラマにしてしまったような作品だったから舞台向き。ドラマだと全10話あるから冗長になっていたかもしれない部分もぎゅっと詰まってテンポよく展開してドラマ以上のおもしろさだったと思う。キャストも生の舞台のほうが力を発揮できる人たちだったんじゃないだろか。
この日は最後のマチ子の長台詞が終わってはけるときに帽子を落としてしまった。最前のお客さんに拾ってもらって照れながら会釈したところはマチ子からぽーちゃんに戻っててかわいかったなー。
カーテンコールではマチ子のよびかけでショウショウが服をめくると中にマチ子Tシャツを着ていた。マチ子から物販の案内があったあと、みんなで挨拶して終演。
感想は全然書き足りないのだけど、もう私の文章力では伝えられないから、とにかく観てくれ!と思う。もう終わってしまったけど、もっとたくさんの人に観てほしかった。アンケートにも書いてきたけど、再演を強く希望します。好きすぎて何度でも観たい。
次のシベ少の公演も楽しみ。いつかまたシアターシュリンプもやってほしいな…。