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映画おそ松さん

2022年4月30日(土)
T・ジョイ横浜
 
実写版の映画おそ松さんを見てきた。
 
シベリア少女鉄道の作・演出の土屋亮一さんが脚本を務めている今作。
最初は原作アニメを見てないし、アニメをチェックする時間もなさそうでスルーしようかと思っていた。ちょうど4月にシベ少の本公演があってシベ少に飢えているわけでもなかったし。でもシベ少ファンからの評判が良かったので見ることにした。
 
ということで原作アニメ未見、SnowManもよく知らないシベリア少女鉄道(シベ少)のファンが書く感想なのでご了承ください。
映画おそ松さんのネタバレ及びシベリア少女鉄道の過去作品のネタバレも若干含まれるかも。
 
 
 
 
横浜駅直結のビルに映画館があるのは知っていたけど、映画を見たのは初めて。上映はこの日はこの1回のみだったこともあるのか満席だった。そんなに大きくないスクリーンだったのもあると思うけど。
 
 
 
 
見終わった感想は、マジでめちゃくちゃシベ少だったな!…です。シベ少は積み上げた物語を途中からぶち壊していくような狂った構造の演劇だけど、土屋さんはそういう話しか書けないわけではなくて、むしろ外に出す脚本はちゃんとしたコメディを書ける人だと思ってる。だからこそおそ松さんの脚本もきっと上手いことやるんだろうなって思ってた。で実際見てみたら普通のコメディというよりシベ少的な要素が強くて本当にびっくりした。途中えっ?こんなにシベ少なの?いつかのシベ少でこんなの観たよね?観客みんな着いて来れてるの?って不安になってしまったくらい。本来なら赤坂レッドシアター*1にいる客だけに観せなきゃいけなかったような内容をジャニーズのアイドル主演で全国の映画館で上映しているという事実にちょっと怖くなっちゃったw
たぶんだけどアニメの予習以上にシベ少を予習する必要があったのでは?という気持ちにすらなった。だからおそ松さんについてはYouTubeの映画宣伝動画とネットの情報をちょっと見ただけだけどシベ少についてはある程度理解のある私は、ちゃんと話の流れが理解できたし楽しめた。
ただアニメ自体元々パロディやメタが多い作品らしいのでアニメファンは着いて来れた人が多かったようでよかった。たぶんかわいそうなのは複雑な構造に慣れてないSnowManファンの人たちなんだろうな。理解できなかったつまらなかったって思う人がいても仕方ない作品かなと個人的には思う。
 
どのあたりがシベ少的要素だったのか自分なりに分析してみると大きく2つ。1つ目は物語の主導権を握ろうとする演者同士の攻防。おそ松さんにおいては6つ子それぞれと物語終わらせ師との戦いで、シベ少でいうと「君がくれたラブストーリー」の後半、「ビギンズリターンズ〜」の2幕、あるいは「いつかそのアレをキメるタイム」の小関ちゃんvs浅見さんみたいな感じ。演者に映画(演劇)を作っているという自覚があって、自分の思い通りにストーリーを展開させようとするというメタな戦いをしているということ。
2つ目は演じている役そのものを自ら、もしくは他人の手によって変化させてしまうところ。衣装やヘアメイクが変わっただけで別の役です!ということになるルールがおそ松さんの中でも見られた。おそ松さんだと中盤の6つ子vs終わらせ師の部分とクライマックスの部分。シベ少だと「君がくれた〜」や「いつかそのアレを〜」、最新作の「どうやらこれ、恋が〜」にも近い部分はあると思う。
あと細かいところだと洋画の有名キャラの○○○○○が出てきたりとか、ちょっとSF要素があったりとかも土屋さんが好きな要素だと思った。
 
このシベ少的なやり口*2が、苦手な人は苦手だろうし、シベ少ファンとしては楽しいと感じる部分だったと思う。私がシベ少で一番好きなダブルミーニングでの言葉遊びこそなかったけど、今までのシベ少でやってきたやり口の集大成をぶつけてきたのかなとも思った。そういう意味では土屋さんはこの大仕事に自分の一番好きで得意な方法を持ってきたのかもしれない。とはいえ監督やプロデューサーの意向がこの方向性だったのだろうけど。監督はじめとするスタッフの皆様に感謝。あとキャストの皆様は最初脚本読んで理解できたのかなー、きっと理解できなかったよねー、仕事受けてくれてありがとうございました。もうどの立場で言ってるんだみたいになってるけどいちシベ少ファンとしての感想です。
 
あと私は図書室の美少女が助かったのが好きだったよ。土屋さんのポリシーを感じたというか。私がエビ中ファンだから勝手にそう思ってるだけかもしれないけどね。悲劇なんてぜーんぶウッソー!って吹き飛ばして強引にコメディにしちゃうところが好き。6つ子は美少女を助けて、悪事を企む企業を崩壊させて世界を救ってるんだけどふわっとくだらない日常に戻っていくのがいいよね。
 
ひたすらシベ少だったという話を書いたけど映画ならではの部分もたくさんあった。私はシベ少の最低限の簡素なセットの中で音響と照明と演技で空間を表現する演出が好きだけど、映画は表現方法が全く異なってくる。ちゃんと映像ならではの表現になっていたと思う。それに有名ベテラン俳優や役名のない多数の役者や衣装やセットの豪華さは映画ならではで舞台のシベ少とは違うものが見れたと思う。金かかってそう!ってシーンが撮れるのはネット番組や深夜ドラマではなく映画という媒体のおかげだと思うので感謝しています。逆に6つ子の自宅の外観がジオラマになってる安っぽさはかわいくて好きだった。
 
SnowManの話とかほぼない感想で申し訳ない。キャストをざっと見たときに髙地くんと高橋ひかるちゃんはスクール革命*3で共演してるよねーってしばらく思っていたくらいの知識量だった*4ので、その頃と比べればSnowManの個人の顔の認識はだいぶできるようになった気がします?
昨日見たモスバーガーのCMに出てる男の子がSnowManのメンバーだってことがわかる程度にはなった。名前まではわからないけどね。シベ少の千秋楽の日にモスバーガー行って若い男の子2人のポスターを見ていたので、伏線回収した気持ちになった。
 
ところでお前が繰り返し書いてるシベ少ってなんなんだよ!って思って興味を持ってくれた方がもしいたら、今最新公演がオンラインで配信中です!(5/5 19:29まで)自己責任でどうぞ。
 
アドバイスをするなら、おそ松さんのように序盤からギャグがあるわけではないのでとりあえずそういうものだと思って見てくれ、というのと、途中で大きな(明らかに大きな)場面転換があるけれど、深く考察せずにそういうものだと思って目の前のものをそのまま受け取って見てほしいということです。以上宣伝でしたw

*1:シベ少がよく公演をやっている小劇場。キャパ173席。ここ何公演かは使ってないけど

*2:あえてテクニックとかじゃなくやり口と呼ばせてほしい

*3:日テレ日曜お昼のバラエティ

*4:スクール革命に出演している髙地くんはSixTONESのメンバー