2018年5月10日(木)
赤坂RED THEATER
3度目のシベ少観劇。絶対に観に行こうと思っているのに結局当日券並ぶというバタバタ。次からは気をつける。(最近いつもこんなことやってるわ…)
今回は2001年に上演された作品の再演。当然初演は観ていないのだけど、わざわざ再演するくらいだからどんな作品なのか楽しみだった。
あと『また来てマチ子の〜』にガッツリハマったので、ドラマで見た俳優さんたちを生で観れる喜びも加わってくる。
公演はもう終わってるけど一応ネタバレ注意で。
客入れでやたら懐かしい曲が流れてるなーと思って聴いているうちに、これ私が中学の頃流行った曲だ(歳がバレる)、と気付いた。つまり初演の2001年のヒット曲。
浜崎あゆみ『M』
MISIA 『Everything 』
ゴスペラーズ『ひとり』
Every Little Thing 『fragile』
ZONE 『secret base〜君がくれたもの〜』
宇多田ヒカル 『Can You Keep A Secret ?』
ちなみにエンディングに流れたのはCHEMISTRY『PIECES OF A DREAM』
シベ少のHPやフライヤーに載ってるものだとあまりにも話の内容がわからないので、以下適当にそれっぽく書いたあらすじ。
2001年、大学の映画同好会に所属する鳥居(加藤雅人)は監督として映画を作っていた。あまりやる気のない他の部員に妥協しながら。
2018年、鳥居は高校の教師として働いていた。演劇部の顧問が産休に入るため、代わりに顧問になってほしいと頼まれ引き受ける。演劇部の練習に行くと演出家の広瀬(小関えりか)がいた。広瀬は舞台演劇、それも高校の演劇部ではとても実現できないような演出をやりたいと鳥居に頼む。それが無理だとわかると脚本を全部書き直して来るという。
演劇に強い情熱を持ちながらも周りを振り回しているように見える広瀬。
実は広瀬には双子の妹がいたのだが、中学生の頃病気で亡くなったのだという。一緒に演劇に夢中になっていた妹の分まで広瀬が頑張っていることを知っている部員(風間さなえ)は、広瀬のためだったら協力したいのだと鳥居に話す。
8月にある公演のために校舎と満月が映った映像がほしいから撮影をしたい、と鳥居に話す広瀬。ただし次の満月は公演の1日前でギリギリ。鳥居はそのくらいであれば一緒に撮影して編集は俺がやる、と広瀬に言う。
一方そのころ、とある研究所では小惑星の地球への接近が確認されていた…
こんな感じかな?高校の演劇部と科学研究所(?)、そして現在・過去・未来の場面を行ったり来たりして、最初はどう話がつながるのかわからない。それがだんだんと繋がって真相がわかっていく展開は物語の構成として普通によくできていると思う。
小惑星の迎撃、クローン技術、タイムトリップなどが出てくる壮大なSFものだけど、登場人物それぞれの夢とか人生みたいな小さなものが大切なテーマになっていたと思う。
ここまでは本筋のストーリーに対する感想。シベ少がシベ少たる部分はこのストーリーの外側、メタなところにある。
本筋のストーリーが本来表現したいものに対してキャストの人数や小道具のクオリティなどが間に合わない、そもそもどんなに予算があってすごい演出ができる劇団だとしても舞台という空間で表現するのは不可能だろうという話の展開。それをなんとか今できる精一杯で表現して物語を展開させていく。その無理矢理なところがあまりにもバカバカしくておもしろい。それでいて、無茶な演出とダブルミーニングになっている台詞に笑いながらも本筋のストーリーで泣いてしまった。
物語の本筋の部分と外側のメタな笑いの部分があるんだけど、どちらも「出来る事・出来ない事」というタイトルにリンクされていて、作った人頭おかしいなーって感じ(褒めてる)。この日以降の公演はもう都合つかなかったから仕方ないんだけど、もう一回観たかったかも。
シベ少はとにかくいろんな人に観てほしい、でもそれがむずかしくてもせめて、お笑いが好きな人には観てほしい。ツッコミのないシュール系コントが好きな人にはハマると思う。今回の公演でいうとライスがやってた小道具全部バナナのコントが近いような。
土屋さんはもう再再演はないと言っていたけど、いい作品だったからまたやってほしいな。ネタバレ注意とか書いたけど、この舞台は実際観てみないことには何もわからないんだよね。文章が上手い人がもっと具体的に文章で説明を試みたとしてもおもしろさは伝わらないと思う。次の公演もたぶん行きます。
*1:観た人なら共感するよね