主にライブのメモとか。

お笑いライブや音楽ライブのレポと感想を中心に。いいブログタイトルが思いつかない。

2018年2月22日「熱海殺人事件 CROSS OVER 45」

2018年2月22日(木)
 
2回目の観劇。この日はチケットを取っていなかったけど結局当日券で観に行った。告知されていた当日券の発売時間に行ったら、「恐らくチケットの用意はできるが、現時点では確定ではなくまだ売ることができない」という話をされて、開演10分前になったら来てくださいと言われた。結果無事に入ることができたけど、開演10分前までチケットが買えるかどうかはっきりしないってちょっとドキドキするし、ちゃんとあらかじめ前売りで買っておくべきだな、と思った。
 
そんなギリギリで買った席だから後列の端かと思いきや、またしてもセンターブロックで本当にこの劇場は席運に恵まれている。
 
今回の石田さんは声大丈夫そうだったし、台詞も淀みなくてほぼ完璧だったのでよかった。
 
一応今回のキャストを載せておく。
 
木村伝兵衛部長刑事:味方良介
婦人警官水野朋子:木崎ゆりあ
犯人大山金太郎:匠海
熊田留吉刑事:石田明
 
大山金太郎はWキャストだったけど私が観たのは2回とも匠海くんの回。敦貴くんはダンスやギャグパートでの出演。それっぽい言葉で言うとアンサンブルになるのかな?ただ同じくくりで久保田創さんと大石敦士さんも出てたけど、久保田さんはわりとアドリブでしゃべることが多かったからアンサンブルと呼ぶのもちょっと違うのかも。ガヤ(芸人)とかのほうがイメージに近いかな?
 
 
前回と合わせて本筋に関係ない小ネタの覚え書きと感想から。
 
・味方良介さんは宝塚の男役みたいな?メイクだなと思った(宝塚詳しくないからイメージだと思うけど)。
石田さんはスーツのズボンちょっと太くないか?と思ったけどいつもの衣装が細すぎるからそう思うだけかな。
 
・め組の人
ガヤの3人がラッツ&スターの黒塗りで登場。これテレビではできないわー。舞台は良く言えば自由で悪く言えば無法地帯だ。
振り付けに恋のフォーチュンクッキーが入っていた。
 
・石田さんの顔は金平糖と言われたり、綾野剛と言われたりw
 
・突然始まるライオンキング
たまたま関ジャムで劇団四季特集を見たばかりだったから妙にタイムリーだった。石田さんはキリンじゃなくてキリンラガー。久保田さんはゾウさんw
 
味方さんが被っているライオンのお面は大西ライオンに借りてきた本物(劇団四季が持ってるのが本物なんだから本物ではないか?)らしく
石田「大西ライオンから本物借りてきたから俺の仕事終わった」
大山「あいつあれしか(ネタが)ないんだからやめてやれよ!」w
だいぶ恥ずかしいタイプのゾウさんをやっている久保田さんから石田さんにお前がやれと振られると
石田「俺にはやらなくてもいい『腕』がある」w
久保田「俺は腕ないよ!」
 
・宅配便の人?
20日は富山のホステス「ゆきえ」こと山口ゆきえちゃんが登場で、石田さんのプライベート暴露?で石田さんがダメージをくらう。
 
・22日はアニメNARUTOのパロディだったと思うのだけど、全く知識がないから自信はない。でもロックリーって言ってたと思う。
 
久保田「吉本坂46をやめさせろ!」w
石田さんはマネージャーに断ると言ったらしいw
 
久保田さんからのタレコミ
 
久保田「演劇の本(たぶんインタビューが載っている雑誌)を見てたんですよ」
プロフィールに「石田明…俳優 演出家 脚本家 NON STYLE
久保田「順番がおかしいだろ!」ww
 
奥さんのご両親の居酒屋で発声をする味方さん石田さん。
久保田「朝4時だぞ!」
石田「義理のお義父さんから長文のLINEが来た」w
 
雑すぎてよくわからないけど記憶力と文章力の限界だからこれで終わり。あとは感想。
 
 
つか作品の経験がある味方さんと石田さんはさすがの演技だった。台詞回しが心地いい。
若手2人は終盤の九州の方言の演技のほうが上手かったと思う。九州の人から見て方言のイントネーションが合ってるのかどうかはわからないけど、感情表現がちゃんと伝わったという意味で。特にゆりあちゃんは、水野の演技は別に上手いともなんとも思わなかったけど、アイコの演技は良かったと思う。年齢的にアイコのほうが近いというのもあるのかな。
 
少ない人数でワンシチュエーションで1日の出来事を演じるというのはすごく舞台向きの設定だと思うし、個人的に好き。新幕末が一気に何年もの時間を駆け抜けていったのと比べても対照的だと思う。作品のスタイルは新幕末より好きなはずなのに、でも新幕末を観たときの熱量や感動を超えることはなかった。物語のクライマックスのシーンに石田さんがいなかったからなのかもしれないけど、そんな浅い理由だったらちょっと自分で自分をがっかりする。
新幕末が時間をかけて関係を築く物語だったのに対して、熱海は殺してしまうという結果が先にあってその理由を遡って確かめるからなのかな。新幕末と比べるとどの登場人物にも感情移入ができなかったような気はする。
 
熊田の生い立ちが2パターン語られるのが謎。伝兵衛からコインロッカーに捨てられて施設で育てられたのだときいているぞ、というようなことを語る台詞があったと思う。でもそのあと熊田の独白で船員に身体を売る母親の客引きをしていた、とか父親に雪の中放り出されて妹が亡くなったという話をしていて、少なくとも物心つく頃まで両親といたようなのでコインロッカーのくだりは事実ではないのか?となった。
45年の間に人物設定も台詞も度々変えられてきたみたいだし、改変してるうちに生じてしまった矛盾なんだろうか。私の聞き間違いや勘違いではないよね…?
 
アイコが「海が見たい」と言ったことに酒も飲まずにそんなことが言えるはずがない、とか職工風情がそんなことを言ってはいけない、とかさんざん言うのはなんでなのだろうとしっくり来ない。海なんて見るだけならタダなんだからむしろ貧乏人のデート向けでは?という気持ち。海を見るのが悪いわけではなくて、男女でデートすること自体が生意気だ、とか華やかな観光地に行くなんて贅沢だ、ってことなのかなとは思ったけど。ただ大山とアイコの地元も熊田の地元も海があったはずだから、どちらも故郷を思い出すものの象徴ってことなのかな。大山とアイコにとっては楽しかった思い出、熊田にとっては忌々しい思い出があるのが海ってことなのか。故郷に帰ろうという大山と故郷を捨てるつもりで東京に来た熊田の対比なのかな。
 
大山が150円のパンタロン、200円のロンドンブーツを履いてきたというくだりがあったんだけど、この台詞のピンと来なさ。貨幣価値が今と違いすぎて高いのか安いのか全くわからないし、最新のファッションなのかダサいのかもわからない。
初演のときは現代だった設定(大山が昭和30年3月31日生まれらしいからそうだよね?)の舞台が45年経つと時代物になってしまうのだよね。当時はちゃんと時代を汲み取った台詞だったのだろうし、観客もその服装や意味を理解できたのだと思う。当時観た人たちが羨ましい。
 
8個で600円の銀だこや100円ライターという台詞も出てくるのだけど、こちらは現代の金銭感覚だから一つの作品の中で貨幣価値が歪んでいる。ギャグとして差し込まれる時事ネタや役者イジリはそういうものとして楽しめるから気にならないんだけど、100円ライターとかはどちらかというと本筋の台詞だから気になってしまう。
 
細かいけど銀だこのところは違う観点でちょっと引っかかった。チャイコフスキーやロマネコンティを愛する伝兵衛がたこ焼きなんて食べるのだろうか。本当は普段気取っているだけで庶民的なんだとか、愛人の水野の前でだけそんな庶民的な自分を晒せたのだ、みたいな描写があるなら深いんだけど。ただ途中で付け足した台詞なのだとしたらちょっと人物描写が浅いように思ってしまう。実際どうなんですかね?
 
ストーリーの展開はちゃんと理解して観ていたけど、何を伝えたいどういう話なのかはまだ理解できていないような気もする。次回観る機会があったらわかるだろうか。
 
差別的で暴力的な台詞も、矛盾のある設定も私はあまり好みではなくて、つかこうへい作品が好きか、ときかれたらあまり好きではないかもしれない。だけど早口で語られるリズミカルな台詞は美しいと思ってしまう。そしてやっぱり石田さんはつか作品に向いているのだと思う。また近い将来に出演することになったらまた観に行くと思う。
 
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そして石田さんはまたしても紀伊國屋ホールで舞台出演という。短期間でお芝居の仕事しすぎじゃない?芸人さんでしょ?とも思うけどもちろんうれしくもあり。火花はどんな作品になっているか楽しみ。