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「新・幕末純情伝」ネタバレ感想

新・幕末純情伝のネタバレ感想。大阪公演終わったらすぐ上げるつもりだったのだけど、まとまらないどころかどんどん長くなってしまって今さら感がすごい。でも一応書いたのでこっそり上げておく。とても…長いよ…。
 
とりあえず好きなシーンと覚えている日替わり台詞を箇条書き。戯曲が手元にあるわけじゃないから記憶頼りだし間違ってるかもしれない。あと舞台観てない人は読んでもきっとわからない。
 
・「歌って踊って人を斬る!それが新選組だ。お主歌は?」
7/12 総司「チャランポランタンとCD出しました」
このセリフ言ったときチャランポ来てるのかな?と思ったらやっぱり来てたそうで。遭遇したかったなー。
 
・めざせポケモンマスターのダン
ポケモンゲットだぜ→ゲット→フライングゲットという連想ゲームで「なかなか×4 大変だけどー♪」の振り付けがAKBのフライングゲットのサビのダンスになってた。玲奈ちゃんのダンスがしなやかで美しかった。もっと激しいダンスを膨大な曲数覚えてた元アイドルからすれば簡単すぎるダンスなんだろうな。「ピカチュウ!」で須藤さんが大の字ジャンプ、「そりゃそうじゃ」のところで近藤が口パクしてたのがかわいい。
 
・龍馬の登場シーン。TMRで踊ってる龍馬はふざけてる顔の石田さんだから全然カッコよくないw 「自由元年」ののぼり旗をギターにして弾いてる以蔵がカッコよかった。
 
・ジャージのファスナーを開けて、龍馬「ブラジャーじゃ!」のあと
6/23&28  龍馬「なんだったら下のパンティーもお見せしましょうか」
7/7 以蔵もブラジャーを見せて「ピーチジョン!」
7/12 龍馬「パンティーじゃ!」下のジャージを下げて赤いパンティーを見せる。モコモコしててあんまりセクシーじゃなかったのが残念w

・龍馬「すじ♪すじ♪すじすじー♪すじを通そうー♪」
6/28 「長○剛ver. ♪すじですすじです心から~」
7/7「SM○P ver. ♪世界にひとつだけのすじ~ 一人一人違うすじを持つ」
7/12「おまんが一番喰らうやつをやってやろう。♪恋するフォーチュンすじすじ」
 
・総司が龍馬の足下に刀ブンブン振って、龍馬がぴょんぴょん跳び跳ねて刀を避けるところがアニメぽくてかわいい。
 
・総司「お前なんかタイプじゃねーんだよ!」のあとの台詞
初日は骨折ネタだったと思うんだけどどんなこと言ってたか思い出せない。
6/28「俺はまあまあお前のファンにビビってるぞー!」
7/7「ここの近所のルミネtheよしもとじゃもっと笑い取ってるんだぞー!」
7/12「ずっとパンツの赤い紐が出てるんだよ!」という総司のアドリブを受けて、ウエストのはみ出た紐を確認してから
「かわいいじゃろうが!」
 
・唐突に始まる須藤さんとダイゴの謎かけ
6/23と6/28は覚えてない…
7/7「AKBとかけましてテロリストとときます。その心は、どちらもせんきょ(選挙・占拠)します」
7/12「童貞とかけまして都知事とときます。その心は、せいこう(成功)できずにじい(辞意)ばかり」
 
・龍馬「吸い込まれるような肌ですねー肉の質もいい」
総司「何ぶつぶつ言ってるんだよ」
6/23~7/7 龍馬「口癖です」
7/12 龍馬「座右の銘です」
 
・以蔵「夜のお菓子うなぎパイ用意しておきました!」
龍馬「ナイスアシストじゃ!」
このアホ二人のやりとりかわいい。そして後半同じ台詞が出てくるときは切ない…。
 
・総司があんまに扮した龍馬を叩く演技のところで本当に叩いて、龍馬が「さっきの仕返しじゃ」と言って叩きかえすのをわーいちゃいちゃしてるーと思いながら観てたw
 
・総司がしゃがみこんで「私ほかのアホウと幸せになるもん!」のところめちゃくちゃかわいい。
 
・二宮「坂本先生が死んだら日本の改革は100年遅れるっておじさんが言ってました!」を受けて
6/23 龍馬「今度おじさんに井上のポジティブカレンダー贈っとくわ」
6/28 龍馬「全然売れてない龍馬の汗ってカクテルやるわ」
7/7 龍馬「今度おじさんに井上のポジティブカレンダー贈っとくわ」
7/12 龍馬「松岡修造の日めくりカレンダー贈っとくわ」
 
・ダイゴからのお題
7/7 ダイゴ「DVD!」 龍馬「 どえらい?・ヴィジュアルの・ドン小西」
7/12 ダイゴ「CIA!」 龍馬「 ちっとも・井上に・会いたくない」
         これに関してはさっきルミネで楽しそうに漫才してきたじゃんwと思った。
 
・「土方のどこを好きになったの?」の返答
7/7 土方がポケモンの直後の台詞で「賞金二両です!」を盛大に噛んだことを受けて
総司「二両が言えないところ」
近藤(かな?)が後ろで「反省しろ」とガヤってたw
玲奈ちゃんは「二両が言えないところ」とか「パンツのひもが~」とか、その日起きたハプニングをちゃんと取り入れていたからアドリブは上手いほうだと思う。
 
・桂のテニミュタイム
のあとの龍馬「ずいぶん狭いところを狙ってるなー」「ほとんどポカーンとしてたぞ」でちゃんと処理してもらえてホッとする。
 
・勝と以蔵の殺陣の場面
以蔵「総司は泣いていた!」から始まる長台詞が好き。
 
・龍馬「桂と近藤に燕尾服買うてやったら金がのうなってな」
土方「バカだな…」
優しい「バカだな…」いいよね…。
 
・龍馬の弱点「たいしょう」がなんなのかわかるところ。龍馬が短小設定だったの、あれ?これって石田さんに合わせて台詞付け足した(もしくは変更した)?って思ってしまった…。筧さんのときも同じ台詞を言っているようだからもともとある台詞なんだよね。
 
・龍馬の台詞はキリがなくなるから書かないけど「でっかいお月様見せてやらにゃならん。降るような星を見せてやらにゃならん(こんな言い回しだったっけ?全然自信ない)」のところたまらなく好き。
 
・総司「明治…明治!ただではあけさせぬ!」
カッコよかったので言ってみたい台詞の一つになった(言う機会はない)。
 
 
 
キャストごとに感想。
 
沖田総司松井玲奈
かわいいところはすごくかわいいんだけど、公演を重ねるたびに感情の高ぶりが激しくなっていくようでとてもよかった。もともと玲奈ちゃん自身に儚いイメージがあって沖田総司にすごく合っていたと思う。
 
坂本竜馬石田明
石田さんが出てなかったらこの舞台を観に行っていなかったし、舞台の存在自体知らなかったと思う。石田さんがお芝居できるのはわかっていたから心配はしていなかったけれど、想像を上回ってきた。石田さんの新たな引き出しというか、こんなこともできるんだ、というのを見せてもらった。白い服を着ていない石田さんのことは軽率にカッコいいと思ってしまいがちなんだけど、服なんて関係なく本当にカッコよかった…。千秋楽の挨拶で「下ネタ苦手芸人なのに…」といったらしいけど、本当にねー。石田さんの一生分の下ネタワードきいた気分w でもそれすらカッコよくて切なくて愛おしい、いい役に巡り合えたと思う。
    
土方歳三細貝圭
まずはサイトやパンフレットの写真と全然違うよね!?と言いたい。あの写真は影が強めでシリアスに撮ってあるから他のキャスト含め顔の印象が違うんだけど細貝さんは特に違ってて実際はすごくかわいらしいお顔のイケメンさんだった。出番の多いわりにあまりカッコいい見せ場のない役だった気もするけど、前半のコミカルからの後半情けない感じがよかった。
 
岡田以蔵早乙女友貴
殺陣のこととか全くわからないのだけど、早乙女さんの殺陣が速くて上手いのはわかった。カッコよかった…。会見の映像とかみんなで撮った集合写真とかで笑ってなくて石田さん嫌われてる…?とか、みんなでワイワイやるの好きじゃないのかな…?とか思ったりしたのだけどそうでもなさそうで安心したり。石田さんのアドリブでちょっと笑っちゃったり、一緒にけん玉やって石田さんより上手くなったエピソードとかもうかわいい…好き…って感じ。
 
桂小五郎/味方良介
2階席から立ち姿を見るだけでわかるイケメンオーラ…みたいな感じだった。台詞も聞き取りやすい。アドリブは…私が見た限り上手くならなかったねw 上手くなってほしかったけど、下手なのもそれはそれでかわいいわーみたいな気持ちになってた。 
 
勝海舟荒井敦史
最年少の勝海舟だと言っていたけれど、どっしり落ち着いてて特に違和感などなかった。今回は遊びの部分がない役だったけどコミカルなことやらせたらどんななんだろう。あと顔がわりと好みw
 
岩倉具視・亀之助/伊達暁
めちゃくちゃギャップのある二つの役をやってたから気付かなくて、同じ役者さんだと理解したのは3回目くらいだったような。岩倉はキャラ設定ヤバかった。岩倉本人が観てたら怒られるだろうなw
 
岡田重蔵・ダイゴ/永田彬
名前は比較的上のほうにあるのに役に恵まれずに印象が薄めかな。ダイゴのキャラ設定かわいそうだよね。どうしたって台詞が少なくなるw 重蔵の演技はよかったのだけどすぐ斬り殺されちゃったからな…。
 
近藤勇/久保田創
近藤は憎らしい役なんだけどこの人の演技は好きだなーと思った。Twitter見てても人懐こいお兄ちゃんって感じで好きだ。石田さんとまた共演してほしいな。
 
二宮/黒川恭佑
二宮は脇役なんだけどとても印象的な人物だった。ピュアでまっすぐでいいやつなんだけど危なっかしくて。Twitterのアイコンが派手なメイクだったからしばらく同じ人だとわからなかった。また演技してるところ観たいなー。
 
 
考察的なもの。
 
前半はくだらないギャグも多いけど後半はシリアス、じゃないんだよね。昔は確かに楽しい日常があったのにそれが壊れてしまう、前半はそのフリの部分だから新撰組が仲良く楽しそうにしていればしているほど後半悲しくなってしまう。
新撰組は総司の前では演技してただけだというのだけど、みんなで夢を語って楽しそうにしていたのが嘘だとは思えない。あの瞬間はみんな明るい時代を夢見ていたし、「沖田さんの病気も治りますよ!」というのも本気で信じていたし願っていたんだよね。
近藤は終盤お前本当最低だな!!バカ!!って思う。本当に総司に酷いこと言うんだけど、はなから悪人だったというわけでもないのが余計辛い。みんなでワイワイやっているシーンでは悪い奴には思えない。近藤は局長として新撰組を守らなければならないという責任感はあったと思うし。その「守らなければならない仲間」に最終的には総司が含まれなかったのかと思うと悲しいけど。
 
総司の台詞で「ひとりぼっちでも寂しくなかった」っていうのがずっと気になっていた。気になってたんだけどネットで言及している人が見当たらなくて私がおかしいんだろうか…。
普通は「ひとりぼっちではなくなって(自分は一人ではないんだと思えて)、寂しくなかった」じゃないかな。心をゆるせる仲間ができたはずなのに自分はひとりぼっちだという意識は変わらなかった。新撰組は総司の寂しい気持ちをやわらげることはできても、孤独を埋めることはできなかったのかな。肺病で距離があったわけではなさそう(少なくとも総司はそう感じていなかった)だけど、総司が女ゆえの距離感かな。どうしたって男同士の友情に女が同等に入っていくことはできないんだろうなっていう。
 
土方は坂本に嫉妬し、総司より自分の命を選んだヘタレっぽく言われてるけどそうじゃないと思う。冒頭で桂のところに現れた土方が
「俺のことは忘れても坂本のことを忘れたとは言わせねえ」
「俺が欲しいのはデモクラシーだ!坂本が、総司が、みんなが夢見たデモクラシーだ!」
ずっと坂本に嫉妬しているようだったけど土方は坂本のこと認めていたんだよね。「キスなんかできるか!」も龍馬が「キスしてうつしてみろ」の対比なのかな。単に病気が怖くてキスできないって意味ではなくて、自分は坂本のような強さやおおらかさがない、自分は坂本みたいに総司のことを愛せないという意味だったのかも。自分の弱さを知った上での悔しさがあったのかな。
 
桂はお前どっちなんだよ!って思うキャラクターだけどそれゆえに一番人間らしくも思える。おみつのことで「心を入れ替えて国のために働きます」って言ったくせに結局反省してないのかよって。数年後「坂本って誰?」「坂本さんが生きてたのはそういう時代だったんだから」だもんね。龍馬は自分の死期を悟って貧しい育ちの桂に日本の未来を託そうとしたんだけど、人を見る目があったのかというと微妙よね。
 
海舟はいまだに腑に落ちていないところがある。妹としてかわいがり、女として愛していたのに龍馬のところに行ってしまうことに嫉妬した。だから総司に龍馬を殺すように仕向けた、ならわかるんだけど、初めから刺客にするために拾って育てたって言ってるんだよね。初めから総司が道具でしかなかったのなら嫉妬も恨みつらみもないよね?父親殺しだって刀を突き立てたのは海舟だし、総司を逃がしたのも海舟なわけで父親殺されて恨んでるわけでもないし。そもそも生まれて三か月も経たない赤ん坊を見てこの子を坂本竜馬を殺すために育てよう!ってだいぶ頭おかしいと思う。その時点で20年後?くらいに坂本竜馬大政奉還を実現させることを予想できていたの??時をかける少女なのは海舟なのでは…?*1ここ台詞通りに受け取ったらダメなのかな…どう解釈すればいいのか誰か教えて。あんまり時系列を細かくとらえようとしたらいけないんだろうけど…。
打算で育てていたはずの妹と暮らしているうちに愛情が芽生えてしまうというのは理解できるけどね。あと年齢設定もよくわからないしw 重蔵を斬り殺して総司を奪ったとき海舟は6歳だった計算になる、というのが…。この脚本わりと穴だらけなんだよねー。
 
年齢設定といえば以蔵もいくつなんだよっていう。総司よりもどんなに少なく見積もっても10歳以上は年上でないといけないけど、竜馬を慕う以蔵は若者感がすごいんだよなー。早乙女友貴さんは玲奈ちゃんより年下だし。あと龍馬に肺病うつしたのは以蔵ですよね?ってこれ絶対つっこんじゃいけないところなんだろうけど…。でも総司よりもずっと長い時間、というかおそらく龍馬とは常に一緒だったはずだから以蔵がうつした可能性のほうが高い。龍馬のほうからすれば愛する総司からうつされたと思い込みたいという妄想込みなのかもしれないけど、「僕の肺病をうつしてしまって申し訳ありません!」って謝る総司がかわいそうで…。そもそも以蔵の肺病設定いる?総司が成長してからは咳することもないし(上記のつっこみを避けるためかもしれないけど)殺陣はキレキレでめちゃくちゃ元気だしw
でも以蔵は好き。龍馬を慕い総司を想ってくれる打算のないピュアな存在。嫌いになるわけない。大好き。かわいいしカッコいいし本当やばい。でもなんで無償の愛を注げるのかの理由はよくわからない。龍馬と総司が結ばれることが以蔵の幸せだったの…?他の登場人物はみんな何かしら夢や野望を抱いているんだけど以蔵はどうだったんだろうか。
 
龍馬は総司に斬られていなくても肺病で死ぬ運命だったし、肺病になっていなくても総司に斬られて死ぬわけで龍馬が生きられる未来はなかったってことなのかな…(これは龍馬がいかにして殺されたかって話だから死ぬことが前提なのだというそもそも論は置いといて)。もしも総司にさえ出会わなければ死なずに済んだんだろうか、とか考えたら切なすぎる。
 
衣装がジャージとか急にポケモン踊るとか、なんでディズニーランドやホテル三日月が出てくるんだ、とか私はあまり気にならないタイプだと思う。史実と違うのも別に構わない、というかあんまり歴史詳しくないからだけど…。でも脚本の中で矛盾が生じてるのは気になってしまう。1回目のときはそこまでわからなかったから複数回観た弊害なんだろうな。
私の好みは緻密に組み立てられて伏線が回収されて、みたいな作品なんだと思う。つかこうへいは真逆で論理よりもパッション!的なことなんだよね。考えるな感じろ、みたいな。机の上で脚本が完成しないで稽古中にどんどん台詞が作られていったという話は納得する。そしてこんなに矛盾が生じている脚本が何度も再演されているのは、そんなもの吹っ飛ばす圧倒的な熱量があるからなんだろうな、というのもわかったつもり。
 
 
このブログ読んだら脚本の矛盾なんてどうでもよくなるくらいには石田さんと今回のキャストが好き。
上でいろいろ書いたけどまた観たい。映像で見れたらうれしいし、再演してくれたらもっとうれしい。
今回のメンバーで他のつか作品をやるなんてことになったら、石田さんが参加しなくても観に行っちゃうんだろうな。
 
石田さんがお芝居に出るならもちろんこれからも行く。コメディでもシリアスでもなんでも行くよ。今回の舞台の噂を聞きつけていろんなオファーが来るんだろうな。いろんな作品に出てほしい。でも漫才もたくさんやってほしいし、石田さんは好きじゃないって言うけど私はテレビに出てるノンスタも好きだし、忙しくて大変だ…。なんだかんだ今一番観たいのはノンスタの単独かな。今年の単独はちょっと日程的に行けないから…。またルミネのプライム帯で1時間の単独イベントやってほしいなぁ…。
 
こうやってファンでいてよかったと思えることと、またいつか観に行けるチャンスがあることはすごく幸せなことなんだろうな。M-1優勝したときも、さいたまスーパーアリーナのときもすごくうれしかったし、きっとまた個人でもコンビでもすごいものを見せてくれるんだろうな。
もはや舞台の感想でもなんでもないけど、幸せな1ヶ月弱でした。

*1:ペニシリンを知っていた龍馬に対して土方が「お前は時をかける少女か!」とツッコむ台詞があった